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SOS

 歴史的な南北朝鮮の首脳会談をよそに、日本では男性人気グループメンバーの一人が起こした強制わいせつ事件で各種メディアは盛り上がりを見せている。悲願である東アジアの連帯、平和構築に重要な一歩となる稀有な国際政治劇だったはずなのだが、その脇役あるいは舞台監督、いや裏方さんにもなれなかった日本に対する情けなさを皆意識的に無視しようとしているかの様相だ。まあいいや。ぼくも今回そのことには触れずに、男性人気グループメンバーY氏事件を考えてみたい。
 複数のメディアから得られる情報を総合すると、どうやらY氏の酒癖が悪いことは昔からのことであり、事情通によれば、いつかはこのような事件が起こるのではと危惧されていたらしい。「酒癖が悪い」ひとのかなりはアルコール依存症という立派な病気であり、治療の対象である。Y氏の場合も本人はもちろんのこと、他のメンバーもうすうすと病気のことには気付いていたに違いなく、無視してきたツケが一気に回ってきたということだろう。
 しかしいくら病気のためとはいえY氏が犯してしまった罪はもちろん言い逃れの出来るものではなく、被害に遭われた女性への謝罪、償いは当然のことである。しかしながら、ぼくにはどうしても割り切れないおもいが残る。相手がいくら有名人だからとはいえ、そして友人と一緒だからといっても、未成年である女子高校生が単身の男性宅を訪ねる行為はやはり軽率ではなかったのか。仮にぼくの娘が被害者であったとして、もちろん加害者への怒りは当然のことながら、おそらくほぼ同様の怒りを娘に対しても抱き、厳しく叱責したことだとおもう。同様の意見に対してメディアは「何故無くならない被害者批判」などの見出しで反論していることが多いので、ここに敢えて反論に対する反論を書きたい。性暴力はあってはならない。しかし現実問題として、性暴力のみならず強盗や通り魔事件も絶対にゼロにはならない。それ故およそ完璧は望めずとしても、自分の身を守るための最低限な注意と工夫は必要とおもうのだ。それは護身術を身に着けろとか、武器を携帯せよということではもちろんないのであって、普段から何となく危ない所には近付かないといったコモンセンス、あるいは「そっちに行ったらやばそう」といった鼻を利かせる能力の取得だ。それらはどうすれば取得できるのか。そこはやはり親からの情報提供、普段からの会話、そして教育しかないようにおもう。米国ニューヨークでは一本道を間違うと大変危険なおもいをすることが多々あり、そういう知識は子供たちが年頃になると親がきちんと教える。日本においても、年頃の娘に対して夜遊びを控えさせ、アルコールや薬剤の危険性を教え、早すぎる性行為が招く望まない妊娠から性感染症の危険性、そして男性と密室で一緒になる際の注意点を教えることは親としての最低限の義務とぼくはおもう。
 今回の騒動の報道を見ながら、ある歌のフレーズがずっと頭の中を巡っている。「男は狼なのよ 気をつけなさい 年頃になったなら つつしみなさい 羊の顔していても 心の中は狼が牙をむく そういうものよ」「このひとだけは大丈夫だなんて うっかり信じたら駄目駄目 駄目駄目 あー駄目駄目よ」何十年も前からこのように歌われている。これは今でも全く色褪せない、ティーンたちに教えるべき優れた警句だとおもう。